地名にもなっている「倶利伽羅」とは、インドの古典サンスクリット語kulikahに由来します。kulikahとは、倶哩迦や矩里迦とも音写され、その意味は「具黒」であり、龍王の名前とされました。もともと不動明王に念ずる功徳がこの龍に降りそそぎ、この龍を駆使し加護を受ける事が出来るという信仰が、いつしかこの龍が「不動明王の化身」という尊格までになりました。当山では、「剣に黒龍が巻きついたお姿のお不動さま」と訳しております。
養老二年、元正天皇の勅願により、インドの高僧善無畏三蔵法師が当山にて国土安穏・万民豊楽の祈願をなされた折、倶利迦羅不動明王を感得され、お姿そのままに彫刻し、奉安されました。この倶利迦羅不動明王は、日本では唯一の仏さまであり、当山創建以来、千葉の成田不動尊(千葉県)相模の大山不動尊(神奈川県)と共に日本三不動のひとつとされ、縁日の28日には多数の参詣者が訪れ、北陸はもとより全国の不動尊霊場となっています。